福祉用具貸与における事故・ヒヤリハット記録の書き方|起きたことと、その後の対応の残し方

福祉用具は利用者の自宅で、相談員のいない時間帯に使われ続けます。だからこそ、「転倒しかけた」「用具の不具合に気づいた」といった出来事が起きたとき、何があったのかを正確に残しておくことが、その後の対応と再発防止の土台になります。

事故とヒヤリハットの違い

「事故」は利用者に実際にケガ等の影響が生じた(または生じかけて対応を要した)出来事、「ヒヤリハット」は結果として被害には至らなかったものの、一歩間違えば事故につながっていた出来事を指します。福祉用具貸与では、用具の不具合・不適合に起因するもの(車いすのブレーキが利きにくい、ベッド柵の隙間に手が挟まりそうになった等)と、用具そのものとは直接関係しない出来事(転倒の場所が用具の使用範囲外だった等)を区別して整理すると、原因の特定がしやすくなります。

記録に残しておきたい項目

  • 発生日時・発生場所(自宅内のどこか)。
  • 使用していた用具(種目・機種)と、発生時の使用状況。
  • 起きたこと(事実を時系列で・伝聞と推測は分けて記載)。
  • 用具起因の可能性の有無(不具合・調整不足・使用方法の相違など)。
  • その場での対応(応急対応、医療機関の受診有無、家族・ケアマネジャーへの連絡)。
  • 再発防止のために行ったこと(用具の交換・調整、使用方法の再説明など)。

記録例(車いすのブレーキに関するヒヤリハット)

午前10時頃、自宅玄関前の傾斜で車いすを使用中、ブレーキの利きが弱く、家族が支えて事なきを得た。点検の結果、ブレーキワイヤーの緩みを確認したため、当日中に調整・交換を実施。家族へ調整内容を説明し、使用前の点検方法をあわせて案内した。担当ケアマネジャーへも状況と対応内容を報告した。

関係者への報告と情報共有

事故・ヒヤリハットが起きた場合は、事実関係を整理したうえで、担当ケアマネジャーへ速やかに報告します。用具起因の可能性がある場合は、事業所内でも情報を共有し、同型・同機種の他の利用者に同様のリスクがないかを確認することが望まれます。事業所としての報告手順・様式は、事業所の運用基準に従ってください。

よくあるNGと、その直し方

  • 用具起因かの切り分けをせず、一律「利用者要因」として記録する:点検・調整の有無を確認したうえで、用具起因の可能性を判断した根拠を書き添える。
  • 軽微なヒヤリハットを記録に残さず、傾向を見逃す:被害の大小にかかわらず記録し、同種の出来事が繰り返されていないかを確認する。
  • 事実と推測が混ざる:「〜だったと思われる」と「〜だった」を分けて書く。

よくある質問

軽微なヒヤリハットも、必ず記録する必要がありますか?

被害の大小にかかわらず、記録しておくことをおすすめします。軽微に見える出来事でも、同種の用具・利用者で繰り返されると重大な事故につながる可能性があり、記録の積み重ねが再発防止の手がかりになります。

用具の不具合が疑われる場合、どこに連絡すればよいですか?

用具の製造・レンタル元(メーカーや卸元)への確認・点検依頼が基本です。あわせて、担当ケアマネジャーへの報告、事業所内での情報共有もあわせて行うことが望まれます。具体的な連絡・報告の手順は事業所の運用基準に従ってください。

発生後の経過を、モニタリング報告の下書きへ

事故・ヒヤリハット後の利用状況や様子を選ぶと、ケアマネジャーへ渡すモニタリング報告の下書きが生成されます。記録から報告へのまとめ直しの手間を短くできます。

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