福祉用具貸与価格の上限のしくみ|全国平均貸与価格と、相談員の説明義務

「同じような商品なのに、事業所によって値段が違うのはなぜ?」──福祉用具貸与の価格には、実は全国共通の上限が設けられています。ここでは、上限価格のしくみと、相談員が契約時にしなければならない説明を、実務目線で整理します。

なぜ上限価格が設けられたのか

かつて福祉用具貸与の価格は事業所ごとに自由に設定でき、同じ商品でも大きな価格差が生じていました。そこで、不当に高い価格での貸与を防ぎ、価格の透明性を高めるため、2018年10月から、商品ごとに「全国平均貸与価格」と「貸与価格の上限」が公表・適用されるようになりました。

上限を超える価格での貸与は、保険給付の対象になりません。これにより、極端に高い価格設定が抑えられ、利用者はどの事業所でも一定の範囲内の価格で借りられるようになりました。

上限価格の決まり方──「全国平均+1標準偏差」

貸与価格の上限は、商品ごとに「全国平均貸与価格+1標準偏差(+1SD)」で計算されます。統計上、価格が正規分布に近いと仮定すると、平均より大きく高い側(おおむね上位16%程度)の価格が上限を超え、給付の対象から外れる設計です。

全国平均貸与価格と上限価格は厚生労働省が公表しており、新たに登場した商品についても、一定のデータがそろった段階で追って公表・適用されます。公表内容は定期的に見直されます。

相談員に課された説明の義務

上限価格の導入とあわせて、2018年度の改定では、福祉用具専門相談員に対して、契約時に次の対応が求められるようになりました。

  1. ① 貸与しようとする商品の「全国平均貸与価格」を利用者に説明する。
  2. ② 機能や価格帯の異なる複数の商品を利用者に提示する(1商品だけを一方的にすすめない)。
  3. ③ 福祉用具貸与計画書を作成し、担当の介護支援専門員(ケアマネジャー)に交付する。

まとめ|価格の透明性が、信頼される相談の土台

福祉用具貸与価格の上限は「全国平均+1標準偏差」で商品ごとに定められ、上限を超える貸与は給付の対象外です。相談員には、全国平均価格の説明・複数商品の提示・計画書の交付が求められます。価格を透明に扱うことは、そのまま利用者・家族からの信頼につながります。最新の平均価格・上限価格は厚生労働省の公表資料でご確認ください。

よくある質問

貸与価格の上限は、どのように決まりますか?

商品ごとに「全国平均貸与価格+1標準偏差」で計算され、上限を超える価格での貸与は保険給付の対象になりません。全国平均貸与価格・上限価格は厚生労働省が公表しており、定期的に見直されます。

契約時に相談員は何を説明する必要がありますか?

貸与しようとする商品の全国平均貸与価格を説明すること、機能や価格帯の異なる複数の商品を提示すること(1商品だけを一方的にすすめないこと)、福祉用具貸与計画書を作成しケアマネジャーに交付することが求められます。

「なぜこの商品か」を選定理由で言葉に

複数商品を提示したうえで、なぜその用具を選ぶのか。用具・要介護度・状態・目的を選ぶと、状態から積み上げた選定理由の下書きが生成されます。価格の説明とあわせて納得を得やすくなります。

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