特定福祉用具販売とは|購入できる対象種目と、申請(償還払い)のしくみ

福祉用具には「借りるもの(貸与)」と「買うもの(販売)」があります。入浴・排泄に使う用具のように、肌に直接触れて再利用になじまないものは、レンタルではなく購入する「特定福祉用具販売」の対象です。ここでは、購入できる種目と、費用の上限、申請のしくみを整理します。

特定福祉用具販売とは──「買う」福祉用具のしくみ

特定福祉用具販売は、入浴や排泄に用いる福祉用具など、他人が使ったものを再び貸し出すことになじまない用具を、介護保険を使って「購入」できるサービスです。都道府県の指定を受けた「特定福祉用具販売事業者」から購入したものが給付の対象になります。

貸与(レンタル)とは別の枠組みで、対象になる種目も、費用の上限も、申請のしかたも異なります。相談を受けたときは、その用具が「借りるもの(貸与)」なのか「買うもの(販売)」なのかを、まず切り分けることが出発点になります。

購入の対象になる種目

特定福祉用具販売の対象は、入浴・排泄に関わる、貸与になじまない用具です。代表的な種目は次のとおりです。

  • ① 腰掛便座:ポータブルトイレ、和式便器の上に置く洋式便座、補高便座など。
  • ② 自動排泄処理装置の交換可能部品:レシーバー、チューブ、タンクなど、肌に触れ交換して使う部分(本体は貸与)。
  • ③ 排泄予測支援機器:膀胱内の状態を検知して排尿のタイミングを知らせる機器(2022年4月から対象に追加)。
  • ④ 入浴補助用具:入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、すのこ、入浴台、浴室内すのこ、入浴用介助ベルトなど。
  • ⑤ 簡易浴槽:空気式・折りたたみ式などで、工事を伴わずに使える浴槽。
  • ⑥ 移動用リフトのつり具の部分:本体は貸与、身体を吊る「つり具」の部分は購入。

費用の上限は「同一年度で10万円」

特定福祉用具販売の給付には、1年度(4月1日〜翌年3月31日)あたり10万円という上限(支給限度基準額)があります。この10万円の範囲で購入した費用について、利用者負担は原則1割(所得に応じて2割・3割)で、残りが保険給付です。

10万円を超えて購入した分は、保険給付の対象外となり全額自己負担になります。複数の用具を購入するときや、年度をまたいで購入を検討するときは、この年間上限を意識して計画するとよいでしょう。

申請のしくみ──「償還払い」が基本

特定福祉用具販売の給付は、多くの保険者で「償還払い」が基本です。流れは次のようになります。

  1. ① 指定を受けた特定福祉用具販売事業者から用具を購入し、いったん代金の全額を支払う。
  2. ② 「福祉用具購入費支給申請書」に領収書・カタログ(写し)などを添えて、市区町村の窓口に提出する。
  3. ③ 審査のうえ、費用の9割(負担割合に応じて8割・7割)が後日払い戻される。

2024年からの「選択制」──貸与か購入かを選べる種目

2024年4月からは、比較的安価で長く使う一部の種目について、利用者が貸与と購入を選べる「選択制」が始まりました。対象は、固定用スロープ・歩行器(歩行車を除く)・単点杖(松葉づえを除く)・多点杖の4種目です。これらは従来の特定福祉用具販売の種目とは別に、購入という選択肢が加わったものです。

まとめ|「借りる/買う」の切り分けが相談の入口

特定福祉用具販売は、入浴・排泄に関わる貸与になじまない用具を、年間10万円を上限に購入できるしくみです。指定事業者からの購入・償還払いの申請という基本を押さえておけば、相談の入口で「これは借りるのか買うのか」を迷わず切り分けられます。対象種目・上限・申請方法は制度改定や保険者で変わりうるため、最新の要件は必ず一次情報でご確認ください。

よくある質問

貸与(レンタル)と購入(特定福祉用具販売)はどう見分ければよいですか?

入浴・排泄に用いる用具など、他人が使ったものを再び貸し出すことになじまない用具は購入(特定福祉用具販売)の対象です。腰掛便座・入浴補助用具・簡易浴槽などが代表例で、都道府県の指定を受けた事業者から購入したものが給付対象になります。

購入費用の上限はありますか?

1年度(4月1日〜翌年3月31日)あたり10万円という上限(支給限度基準額)があります。この範囲内の費用について利用者負担は原則1割(所得に応じて2割・3割)で、10万円を超えた分は全額自己負担になります。

申請の流れはどのようになりますか?

多くの保険者で「償還払い」が基本です。指定事業者から購入していったん全額を支払い、支給申請書に領収書等を添えて市区町村へ提出し、審査のうえ費用の一部が払い戻されます。保険者によっては、自己負担分のみを支払う「受領委任払い」を選べる場合もあるため、購入前に確認してください。

購入(特定福祉用具販売)の選定理由を下書き

対象種目・身体状況・購入の目的を選ぶと、特定福祉用具販売の選定理由書に使える下書きが生成されます。

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